ヴァンセットの濃厚ブイヤベース!
レストラン「ヴァンセット」オーナー 大澤 聡
今回はヴァンセットの人気のお料理ブイヤベース。 もうご存知の方も多いと思います。南フランスの代表的な料理です。
ヴァンセットのブイヤベースの材料は数種類の魚のアラと、ワタリガ二、にんじん、セロリ、玉ねぎ、ニンニク、フェンネル(ウイキョウ)。トマトホール。お酒はペルノー(アニスリキュール)も必要です。ペルノーは暑い時に飲む食前酒として最高だと思います。独特な香りがありますが、はまると病みつきです。
ブイヤベースの作り方は、魚のアラとワタリガニをハサミでぶつ切りにしてオーブンで香ばしくカリカリになるまで焼きます。
少し焦げるくらい焼くのが良いと思います。これで魚の生臭さが消えて、魚の旨味が出ます。そこにペルノーを加えて、アルコールを飛ばします。野菜はセロリ、玉ねぎ、人参、フェンネル、ニンニクを炒めて、ホールトマトとサフランを加えて煮込みます。
煮込む際に前回仕込んだものも必ず加えています。そうすることでより濃厚な味わいになるからです。煮込む時間は、だいたい1時間半くらいです。最後に漉して仕込み終了です。
仕上がりは濃厚な香り高いスープに。これはスープ・ド・ポワソンと言います。
そしてオーダーが入った時に、鍋でニンニクのみじん切りを炒めてペルノーを加えてアルコールを飛ばして、仕込んでおいたスープ・ド・ポワソンを入れて沸かします。
付け合わせに今はインカのめざめ(原産地アンデスのジャガイモを日本向けに改良したもので、ほくほくとした食感と甘みがほどよい、黄色のじゃがいもです。)はここで一緒に柔らかくなるまで煮込みます。
スープがしみ込んだジャガイモは美味です。
それからハマグリを別の鍋でニンニクと日本酒で沸かして貝があくまで火にかけます。
ハマグリは鹿児島産のハマグリでとても旨味が強く身も大きくしっかりとしているので人気があります。
最後にスープと合わせて仕上げです。
魚はその日により違いますが、フライパンで、皮目を香ばしくカリカリに焼き上げ身はしっとりと仕上げ、盛り付けです。
写真のお魚は、金目鯛です。金目鯛は皮目を焼くと甲殻類の香りがして食欲をそそります。
ブイヤベースはお客様にお出しする時にルイユを添えます。
ルイユはブイヤベースに欠かせないもので、ヴァンセットでは、卵黄とニンニク、アリサ(唐辛子のペースト)、チーズ、 オリーブオイル、トマトペースト、柔らかく煮たじゃがいも、ブイヤベースのスープを合わせてペースト状にしたものです。
少し通常の材料とは違いがあります。 それから、番外編ですが、ヴァンセットでは、花山椒とレモングラスを加えたエキゾチックなブイヤベースを作ることもあります。
花山椒のピリッとした感じとレモングラスの爽やかさ、ほのかな酸味が食欲をそそりますよ。 麻婆豆腐を食べていて閃きました。この花山椒とレモングラスの組み合わせは仔羊のソースでも応用しています。
ブイヤベースのスープは賄いでパスタになることも。(お客様に出したことはないです‥‥)
ヴァンセットでは、色々なところから魚が届きます。 新潟県出身のせいか、日本海側の魚が特に好きです。今回は山口県の萩から魚が届きました。
上から、天然真鯛、メジナ、石垣鯛です。
日によっては、カサゴ、的鯛、イトヨリなども届きます。 とても鮮度が良く。刺身にして食べると最高!ですが刺身では出しません。(笑)
これらの新鮮な鮮魚を使えることは料理人として幸せです。
ブイヤベースとワイン。
ワインはカシーブランと合わせると絶妙と言いますが、 個人的にはラングドック地方のロゼワイン。ロッカモラ、ロゼを合わせるのが好きです。
ブイヤベースは、ヴァンセットの定番料理です。季節ごとに魚や貝などは変わります。 ぜひ濃厚なブイヤベースを食べにきてください。